毎日のようにケアレスミスで叱られて、私の脳はどうなっているのだろう?と落ち込むことはありませんか?

何をかくそう、私がそうでした。
毎日のようにうっかりミスをしでかし、「させられる仕事がない」と言われたこともあります。
しかし、脳科学にそった対策をすることでミスを減らすことに成功しました。
この記事では、そんな私の体験から着実に成果の出た方法だけを、あますことなく提供していきます。
結論から、ケアレスミスを無くすには注意を対象に全振りすることです。
「全振り」というと「注意散漫な私はどうしたら?」と不安になるかもしれませんが、コツをつかめばそう難しくはありません。
きっと最後まで読めば、ミスを激減するためのスキルが身につくことでしょう。
ケアレスミスとは、防げたはずのミスのこと

知識や経験上防ぐことが可能だったにもかかわらず、起こしてしまったミスのこと
いわゆるうっかりミスのことを、ケアレスミスといいます。
代表的なケアレスミスは、抜け、モレ、忘れです。
たとえば次のもの。
- 書き漏れ
- 作業の抜け
- 必要物の持参忘れ
以下は、私が実際にやってしまったケアレスミスの例です。
- 13時に送迎の仕事があったのに、気がついたら過ぎていた
- 出かけるついでに封筒を出そうとして、出すのを忘れて戻ってきてしまった
- ベッド上で介護の仕事を終えて安心してしまい、ベッドの高さを戻すのを忘れた
次項では、ケアレスミスの原因と対策を解説します。
ケアレスミスの原因は注意量の無駄遣い

なぜケアレスミスを起こしてしまうのでしょうか。
一言でいうと、ケアレスミスの主な原因は注意量不足です(「力」でなく「量」であることに注意)。
注意量が少なくてもこなせる仕事なら、ミスは起きません。
しかし注意量が減少しているときに難度の高い仕事にぶつかり、必要な注意量が足りなくなったとき、ミスが発生します。
下表では、注意量不足でミスが起きるメカニズムをRPGで例えてみました。
- 1スライムに「注意」を10ポイント使う
注意MP残量40
- 2ドラキーに「注意」を10ポイント使う
注意MP残量30
- 3ドラゴン登場!「注意」が40ポイントあれば倒せたが足りず…
ミス発生!
ドラクエでいえば、注意不足とはMP(マジックポイント)を他のことに使いすぎて、いざというときに「MPが足りない」と魔法を使えなくなる状態といえましょう。
以下、注意量について、次の3つの観点から深掘りしていきます。
- 注意量を適切に使うための考え方
- 注意量を減少させるもの
- 仕事に必要な注意量の総量
注意量を適切に使うための考え方は、無駄遣いをしないこと
ケアレスミスの原因が注意量と知った時に、抱きがちな疑問は次のものです。

「どうしても不注意な私はどうしようもないの?」

「注意量を高めるにはどうしたらいいの?」
しかしケアレスミスを防ぐには、注意の総量を増やそうとするより、無駄遣いを減らすことに務めてください。
仮に注意の総量が少なくても、満タンになっていればケアレスミスを防げるからです。
後ほど、注意の無駄遣いを無くす方法を紹介します。
注意量を減少させるもの5例
ケアレスミスを無くすためには、注意量を減少させるものと減少量を知っておくと、現在の自分の注意力がわかり有益です。
ここではイメージしやすいよう、再び注意量をMPに例えます。
一般的な人のMP総量は50〜60P程です。
ここから、例えば悩みを抱えていればMPを10取られて仕事に使える総量は40〜50。
更に寝不足だったらそこからマイナス20、という具合にMPが減っていきます。
参考までに、以下の表をご覧ください。
いかに人は、仕事以外で注意を消費してしまっているかを示しています。
MPを無駄遣いしがちな事柄 | MP消費量 |
予定を1つ覚えておくこと | 10 |
不安や悩み | 約15 |
寝不足や疲労 | 約15 |
時間に余裕がないことによる焦り | 20 |
時間に間に合いそうにないことによる焦り | 30 |
こうしてみると、たとえば時間に焦るだけで、注意量が半減するなど、注意量は減りやすいことがわかるでしょう。
仕事に必要な注意量5例
下表は仕事に必要なMP(注意量)の総量です。
仕事によりますが、かなり高い数値を求められることがわかります。
仕事の種類 | MP消費量 |
歩行による移動 | 10 |
車の運転による移動 | 20 |
決められたルールに沿った作業 | 30 |
計算や分析業務 | 40 |
複雑な問題の解決 | 50 |
つまり、仕事に必要な注意量は、複雑であればあるほど満タンが求められるのです。
従って、いかに注意量を仕事以外で節約できるか、がケアレスミス防止のカギだといえます。
注意の無駄遣いを無くし、ケアレスミスを防ぐ方法5選

注意を仕事に全投入するためには、次の方法が有効です。
- 外部に頼る
- 時間にゆとりをもつ
- 不安や悩みを脇におく
- シングルタスクに努める
- todoリストやチェックリストを使う
これらは全て、注意を使わないための施策です。
従って、いざ注意が求められる時に、ほぼ満タンの注意量で臨めるようになるでしょう。
詳しく説明します。
外部に頼る
外部に頼るとは、具体的には次の方法です。
- メモをする
- スケジュール帳に書く
- 必要に応じてアラームやリマインダーを鳴らす
なぜ外部に頼るのがケアレスミス防止に有効か、それは次の2つです。
- 脳は記憶するだけで注意のリソースを消費するから
- 記憶は時間と共に曖昧になるから
従って私は、次のようにメモやスマホに頼っています。
- 時間指定の仕事はアラームをセットする
- ルーチンワーク以外の仕事を言われたらメモを取る
- 毎日ではないが定期的に行うことは、グーグルカレンダーに記しリマインドさせる
こうすることで、頭を空っぽにしておけば注意を使わず、それでいて仕事の抜けや忘れを予防できるのです。
時間にゆとりをもつ
時間的な焦りはケアレスミスを起こす代表格。
したがって、いかに焦らなくていい状態をつくるかが重要です。
私は次のように対策をしています。
- 早めに行動する
- 必要な時間を予想の1.2~1.5倍で見積もる
- 計画に狂いが生じたら早めに報・連・相を行う
それでも焦ってしまったら、次の行動が有効です。
- 「焦ってるなあ」と呟く
- 今の焦り度は何%かを口に出す
- 全体を見回し、周囲の音を聞いたり、匂いをかいだりする
これらは今の自分を客観視することに役立ちます。
客観視すると冷静になれるので、いざというときのために覚えておきましょう。
不安や悩みを脇におく
不安や悩みは、抱えているだけで、脳のリソースを消費してしまいます。
その状態で仕事をすることは、例えるなら、矯正ギブスをしながら戦場に出ているようなものです。
したがって、不安や悩みは以下の方法で手放してください。
- 紙に書く
- 信頼できる人に話す
- カウンセリングを受ける
いくら頭のなかで考えていても、堂々巡りになるだけで何ら解決しません。
ちなみに私の場合、悩みを外に出さずにいると寝床に入っても脳がフル回転し続け、寝られなくなるので即行で書きなぐります。
大切なことはアウトプットです。
書き出す、声に出す、頭から出す、をやってみてください。
なんだか気持ちが軽くなることを実感できるでしょう。
シングルタスクに努める
ケアレスミスを無くすなら、2つ以上の仕事を同時に行うのはやめること。
注意が分散するので、ミスをしやすくなるからです。
昔、ある人から「ながら作業するとマルチタスク力が上がるからオススメ」と言われ、それからテレビを見ながら勉強してみました。
結果、全く知識が頭に入らず、テストも思い出すことはテレビの内容ばかりで惨敗でした。
したがってマルチタスクは何もいいことがありません。
仕事を複数抱えることもあるでしょうが、極力1つの仕事を終えてから次の仕事にかかるようにしてください。
なお、意外に思われがちですが、次のような仕事の仕方もマルチタスクです。
- 話をしながら仕事をする
- 見守りをしながら文章を書く
- 校正で文字間違いと内容を同時にチェックする
どうしてもマルチタスクを求められる場合は、今はミスを起こしやすい状態だということを認識し、慎重に行いましょう。
todoリストやチェックリストを使う
仕事でモレや抜けがあるのは、自分の頭を過信しているからです。
脳は錯覚したり、思い込みに引きずられたりするので正確さに欠けます。
したがって、仕事はtodoリストをつくったり、チェックリストを用意してシステムでミスを減らすのが効果的です。
具体的には次のように運用してください。
- 今日やるべき仕事を紙にリストアップする
- 仕事を終えた後の抜けやモレを防ぐためのチェックリストをつくっておく
- 仕事をする前にtodoリストを読み上げ、仕事後にチェックリストを元に指差し確認を行う
声に出したり、指差し確認をしたり、身体を動かして使うことで精度が高まり、ミスを撲滅することにつながります。
なお私の失敗談ですが、つくったリストを使うのを忘れ、抜けモレにつながりました。
私のようなミスをしないよう、必要が無くてもポケットからリストを出し、習慣づけるようにしましょう。
まとめ

この記事では、ケアレスミスを無くす方法を紹介しました。
- ケアレスミスとは、いわゆるうっかりミスのこと
- ケアレスミスの主な原因は注意量不足
- 注意量を仕事に全投入するためには、次の方法が有効
- 外部に頼る
- 時間にゆとりをもつ
- 不安や悩みを脇におく
- マルチタスクをやめる
- todoリストやチェックリストを使う
最後に、ケアレスミスを起こしても落ち込む必要はないということをお伝えします。
なぜなら、ケアレスミスはゼロにはならないからです。
つまり誰でもケアレスミスは起こしているということ。
そして、ケアレスミスは起こした後に原因と対策をうつことで再発を防げます。
こうして少しずつ無くしていくことが、本当のケアレスミス対策といえるでしょう。

私も、ケアレスミスを起こすたびにミスをメモにして、その都度どうしたらいいかを考え、実行しています。
再び同じミスを起こしてしまうこともありますが、今度は違う対策をうち、少しずつ無くしているのです。
毎日のようにミスをしていた私でも、ケアレスミスを少なくできました。
したがって、あなたもケアレスミスを減らすことは可能です。
最初は1歩すすんでは半歩下がる、のカメの歩みのように感じるかもしれません。
それでもふと気づいたとき、ミスの激減した自分に出会えるでしょう。